ひと夏の経験の作詞家千家和也さんが死去!青春の思い出に感謝します。
「終着駅」や「ひと夏の経験」など数多くのヒット曲の歌詞を書かれました。
作詞家の千家和也(せんけ かずや)さんは1970年代の歌謡界をリードされていました。そんな彼が2019年6月13日に亡くなられました。
享年73歳だったとは!若くして、その才能を爆発させていたんですね。
1972年に奥村チヨさんの「終着駅」で日本レコード大賞作詩賞を受賞されました。
「ひと夏の経験」をはじめとする山口百恵さんのヒット曲を多数手掛けました。
麻丘めぐみさんの「わたしの彼は左きき」も作詞していたんです。
まさに、アイドル歌謡の一時代を支えた方でした。
千家和也さんの代表曲を見ると青春時代に戻ります。
千家和也さんの代表的な作品を概観すると、「あの頃が懐かしい」「憧れのアイドルだった」「もう一度聞きたい」と郷愁を誘われます。
青い果実 (山口百恵)
あなたにあげる
雨 (三善英史)
内気なあいつ
君が美しすぎて
終着駅 (奥村チヨ)
素敵なラブリーボーイ
そして、神戸
その気にさせないで (キャンディーズ)
逃避行 (麻生よう子)
としごろ (山口百恵)
年下の男の子 (キャンディーズ)
夏ひらく青春
なみだの操
バス・ストップ (平浩二)
春風のいたずら
ひと夏の経験
冬の色
芽ばえ
わたしの彼は左きき
どうです? 千家和也さんの作品群のほんの一部ですが、歌詞とメロディーを口ずさめるものが多いのではないでしょうか。 懐かしい曲としてカラオケで歌ったものもあると思います。
とんでもないヒットメーカーだったことがうかがえますよね。
千家和也さんの作品は思春期の時期に心に響いた!
1970年代に中学生や高校生だった人にとっては、千家和也さんの作品に影響された方も大勢いらっしゃるでしょう。小学生にとっても忘れられない名曲ってあるかもしれません。
1970年代の思春期の時期に多くの名曲を届けてくださりありがとうございました。心よりご冥福をお祈り致します。
昨今の日本の歌謡界は大勢の女の子が踊って合唱するだけで、何故か幼稚に退化したように思えます。
千家さん達が築いたものが、今の日本の歌謡界にほとんど反映されてないのが非常に残念です。思春期を過ぎて、壮年に達しても心に響くような曲として残るものがあるのでしょうか?
千家和也さんと山口百恵さん
「ひと夏の経験」がなければ、百恵ちゃんは大スターになれなかったはずです。本当に当時としては画期的な作品でした。
歌詞の内容にPTAのおばちゃんたちがクレームをつけて社会現象になっていました。
汚れた下品なことしか想像できない大人たちをさめた眼で見ながら、「女の子の一番大切なものはまごころ」だと答えていた百恵ちゃんをよく覚えています。雑誌対談などで露骨な質問を繰り返されても、毅然と答えていましたよ。
百恵ちゃんのデビュー曲は最初は「としごろ」で可愛い詞でしたが、ほとんど売れませんでした。そこで2作目から路線変更になるんです。
大人ぽいちょっときわどい歌詞の三部作ができあがりました。1作目の「青い果実」では「あなたが望むなら私何をされてもいいわ♪」とか2作目の禁じられた遊びでは「怖くない怖くない…あなたとだったら何でもできる」とか、そして3作目のあの「ひと夏の経験」で大ブレイクすることになりました。
「ひと夏の経験」や「青い果実」は、当時思春期だった私にとって、とても刺激的な詩でした。百恵ちゃんとはそれほど年が違わなかったのですが、「大人のアイドル」としてすごいあこがれの存在でした。落ち着いていましたし。
その後、横須賀ストーリー から始まる宇崎阿木コンビによる一連のヒット曲によって、百恵ちゃんの妖艶な魅力を引き出すことになっていったのです。
アイドルは偶像だからこそアイドルなんですね。
千家和也さんは当時のアイドルたちに、実に厳しく接していたそうです。
アイドルというのはファンに夢を売る仕事なのだから、歌はうまく歌えて当たり前で恋愛なんて絶対に禁止を貫いたようです。
千家和也さんが歌詞を提供する歌手には、事務所の人以上にアイドルとしての振る舞いを徹底的に教え説いたそうです。
つまり、アイドルは偶像じゃなければアイドルじゃないという姿勢ですよね。千家和也さんは百恵ちゃんにももちろん、アイドルとしての確固たる軸を求め、百恵ちゃんもそれに応えました。
ですから、他の人ならいやらしく聞こえる歌詞も、百恵ちゃんが歌うとなぜか清潔だったのだと思います。「ひと夏の経験」なんて百恵ちゃんだからこそ歌えた歌です。
さいごに
やっぱりアイドルは気軽に至近距離で会えたらだめですよね。
千家和也さんのように、アイドルを偶像化するような人はもう出てこないかもしれません。
千家和也さんは歌謡曲全盛時代を彩った天才作詞家でした。今は、そのような才能のある作詞家がいなくなったことも、歌謡曲の低迷を招いているように思えます。
日本が一番いい時代に活躍された作詞家だったということもあります。勢いのあったあの時代の歌を聞くと、現在の日本の斜陽感は否めないような気がします。