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新疆ウイグル自治区の収容所問題から中国の恐ろしい裏の顔を知る!

中国西部の新疆(しんきょう)ウイグル自治区にある収容施設で、中国政府がイスラム教徒のウイグル人を何十万人も組織的に洗脳していることが、流出した文書によって改めて明らかになりました。

しかし、中国の駐英大使は、文書は偽物だと主張しています…

新疆という言葉の意味

疆とは「領域」の意味で、かつての清王朝にとって新たな領土であったことを意味します。

 

 

上記の流出文書は、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手したようです。どのように入手できたかは不明です。

 

ICIJは、BBCパノラマや英紙ガーディアンなど17の報道機関が参加する大規模連合です。このたび流出したとされる中国政府の公文書は「中国電報(The China Cables)」と呼ばれています。

 

流出文書には、治安当局のトップだった人物が、新疆ウイグル自治区の収容施設の責任者らに宛てた9ページの連絡文書も含まれているんです。

新疆ウイグル自治区の収容所問題から中国の本当の顔が見えてくる!

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新疆ウイグル自治区では、ここ最近イスラム原理主義に感化されたと思われるテロが相次いでいるのは事実です。

 

また、中国政府がテロ対策を新疆ウイグル自治区で取っているのも確かです。もしも新疆ウイグル自治区アフガニスタンのようになってしまうと、アメリカの基地を多く持つ日本もテロの標的になりうる可能性があることはあるのですが…

 

新疆ウイグル自治区内での収容施設は3年間(ほぼ2016年から2018年)に、大規模に建設されてきています。イスラム教徒のウイグル人を主体に、100万人近くが裁判てづ付きなしに施設内で拘束されているとみられています。

 

前述した流出文書の中には、こんな指示があるとのことです。

・「絶対に脱走を許すな」

・「違反行動には厳しい規律と懲罰で対応せよ」

・「悔い改めと自白を促せ」

・「中国標準語への矯正学習を最優先せよ」

・「生徒が本当に変わるよう励ませ」

・「宿舎と教室に監視カメラを張り巡らせて死角がないことを(確実にしろ)」

新疆ウイグル自治区の成り立ちを知っておきたい。

ウイグル族」は、8~9世紀にかけて存在した広大な帝国、回鶻(かいこつ)に属する人々を指した名称です。

 

その後、幾多の経緯を経て(かなり複雑な歴史があるので割愛します)、この地にイスラム教国家が樹立されたのです。実際に独立国家としての試みが戦前から戦後にかけてなされたこともあります。

 

しかし、中国共産党が中国を掌握しました。毛沢東主席(1893~1976)は、新疆を「自治区」と宣言したのですが、自治とは名ばかりでした。

 

実は、ほとんどのウイグル族は自分たちのことを「中国人」とは考えていません。中国人とは異なる民族性、宗教、言語を持っているためで、ウイグル族のほとんどの人は中国語を全く話しません。

 

なお、ウイグル族のほとんどが政治的に 「分離主義者」であるとか、中国からの独立を支持しているという証拠はないのが実状です。

新疆ウイグル自治区の収容所は人格改造と洗脳が目的!

かつてのオウム真理教を数百倍に拡大したかのような、新疆ウイグル自治区の洗脳実態です。

洗脳もさることながら、中国の真の目的はウイグル人の人格改造が目的のようです。

なぜ新疆ウイグル自治区イスラム教徒のウイグル族が迫害されるのか?

中国共産党ウイグル族の「分離主義」と「テロリズム」を恐れているためです。

 

事実として指摘できるのが、新疆ウイグル自治区 にはイスラム原理主義を説くテロ組織がいくつか存在することです。実際、テロ攻撃が何度か発生したこともは事実です。

 

またウイグル族の中には、アルカイダに同情を寄せる者もいるようです。さらにイスラム国(IS)に加わったウイグル族も少数ながらいたことも事実です。

 

2009年、新疆ウイグル自治区の首都ウルムチで暴動が発生したときの報道を覚えていますか?

ウイグル族が警察の残虐行為に抗議し、100人以上の死者が出ました。

中国共産党ウイグル族への偏見 その1

中国共産党は、ほとんどのウイグル族がテロリストに共感しているという認識です。

しかし、この認識を証明する証拠は存在しません。教育によって改心させようと、強制収容所に百万人ものウイグル族を収容する大義名分に使われているのが実状です。

 

実際問題として、ウイグル族のほとんどの指導者や組織は、テロリズムを断固拒否しているんです。

中国共産党ウイグル族への偏見 その2

中国共産党の思惑は、人口の大多数を収監すればテロを根絶やしにできる、というものです。

しかし、その強制収監がかえって、テロ準備を助長しているのです。

 

なぜなら、無差別な抑圧が続く今の流れが、小規模のテロ集団が新疆で新兵の募集を可能にする最高の呼び水になっているからです。抑圧には闘いしかない、という発想から頷けますね。

 

なお、中国共産党というのは、あらゆる形式の政権への批判や、地域の独立や自治を求めるすべての政治的な活動を、「テロリズム」という枠で囲っているのです。

 

これは、私たちが用いるテロリズムの概念から外れていることは明らかです。例えば、民族の自立はテロリズムではありません。

中国共産党ウイグル族への恐れが諸悪の根源である!

中国共産党の根底には、イスラム教の復権が政権を脅かさないかとの恐れがあります。

 

つまり、中国共産党は、過去から現在にいたるまで、イスラム教徒が力を結集したときのことを恐れています。

 

ウイグル族以外の部族にイスラム教が拡大し、力をみなぎらせて中国共産党の支配を転覆する日が来るのではないかと恐れていることになります。

 

ちなみにチベット自治区の問題とは?

 

中国では、チベット自治区の問題も根強く、解決されない問題です。

チベット問題は、中国のチベットへの侵略の歴史とも言えます。

 

チベットはかつて、ひとつの独立国家でした。

しかし、「チベットはもともとは中国だった」という強権的な理屈と、強大な軍事力を盾に、中国の一部に併合されてしまったのです。

 

1951年、以前のチベット政府は、中国軍隊の脅威のもとで中国政府と「17条協定」を結ばされました。

この17条協定によってチベットは名実ともに中国の一部になってしまいました。

 

当時、中国共産党は、中国の他の地方で共産主義による急速な「民主改革」を進めていました。

しかし、17条協定では、チベットの事情に配慮し、チベットには改革を強制しないと謳っていました。

 

でも、協定を結んでから現在にいたるまで、中国がチベットにやったことは一貫して正反対でした。

 

毛沢東の教訓である「政権は銃口から生まれる」という有名な言葉どおり、中国はチベットにも当然のごとく銃口を向けたのです。

 

仏教国であったチベットの95%以上の僧院を破壊し、多くの僧侶を還俗させました。

また、経典を焼き、仏像を持ち去って溶かしました。

つまり、僧院を中心とした社会の仕組みを壊すべく、平穏と続いていたチベット文化を粉砕したのです。

 

中国共産党はこれを「封建農奴制からの解放」「民主改革」などと呼びました。

なんと、8万人以上の人民解放軍を送り込み、チベット側から要求されてもいない改革を、自国の思惑のために無理矢理進めたのです。

 

ダライ・ラマ14世チベットを去った後、中国は中央チベットに「チベット自治区」を成立させました。

そして、着々とチベット支配を進めていきました。

 

しかし、チベット人の中国への抵抗が根強いのは当然でした。そのため、中国に従わない者は容赦なく投獄されたり殺されたのです。

 

なお、前述の「民主改革」や「文化大革命」を通して、中国による拷問や戦闘、餓えのために死亡したチベット人は120万人にのぼるという統計もあるほどです。

 

1990年代半ば以降、市場経済を採り入れた「改革開放」政策の下で、チベットは経済的には発展したと言われています。

確かに、食べるものに困らなくなったので一応は豊かになったと言えます。

 

しかし、チベット文化やチベット人アイデンティティの破壊、人権の抑圧は、現在も着々と進んでいるのです。

 

中国支配に抵抗するデモは今も絶えることがありません。

しかも、「ダライ・ラマ万歳」「チベットに自由を」などというスローガンを叫んだだけで、裁判手続きもなしに、刑務所に投獄されたり労働矯正場に送られたりすることが頻繁です。

中には、拷問を受け、死刑になる人もいます…

さいごに

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新疆ウイグル自治区チベット自治区の問題は、根底が違うように見えますが、中国の思惑は同一です。

 

広大な領土を確保する目的の下、異分子を排除して、言いなりになる従順な民族で固めたいだけです。

 

なぜ、異なる民族と共存できないのか?

日本でも規模は異なりますが、同様の問題がありますよね。日本は単一民族国家ではありません。

そう、北海道には古(いにしえ)からのアイヌ民族が生活しています。

 

民族が共存することによって、文化は更なる発展を遂げることを中国共産党は認識できないものと考えられます。とても嘆かわしいことです。

 

今後は、新疆ウイグル自治区チベット自治区の問題について、もし報道があれば関心を持ち続けたいものです。