イッパイアッテナの名前は何でイッパイアッテナになったのか!
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『ルドルフとイッパイアッテナ』!!
このタイトルを書店で見かけると、ルドルフが主人公だと考える人が大半だと思います。いえいえ、ところがどっこい!イッパイアッテナの存在感はルドルフをはるかに凌駕しているかもしれません。ま、ルドルフの可愛過ぎるマスクの前ではイッパイアッテナは脇役のように思われるかもしれませんが。
ところで、何で”イッパイアッテナ”なんて、けったいな名前になってしまったのでしょうか?実は、ルドルフのせいなんですよ。
イッパイアッテナと命名したのはルドルフでした!
映画の台本を参考にした『映画ノベライズ版』のシーンを見てみましょう。
ししゃもがおちているところまでもどると、トラネコはルドルフを口からはなした。 「死にてえのか?おまえ、名前はなんていう?」 ルドルフはトラネコとむきあって、こたえた。 「ル、ルドルフ。そっちは?」 トラネコは、まるで、名前なんか、きかれたことは一度もないというように、 「おれか・・・?」 とつぶやいたあと、 「おれの名前は・・・、いっぱいあってな。」 とあたりまえのようにこたえた。 「いっぱいあってな?へんな名前。」 おもわずルドルフがそういうと、トラネコは、なにいってるんだこいつという顔で、 「あぁ?」といい、 「くくく・・・。」とわらった。
イッパイアッテナが「死にてえのか」なんて物騒なことをルドフルに言っています。でも、ルドフルを怖がらせているのではないんです。むしろ、イッパイアッテナはルドルフの無謀な行為をたしなめたんです。
映画のシーンでは、ルドルフは故郷から運んできた1匹のししゃもをイッパイアッテナに上げることになりました。イッパイアッテナへの恐ろしさからししゃもを渡してしまったルドルフはあまりの悔しさに、その直後、小道から広い道へ飛び出してしまったんです。そこへトラックが・・・
恐怖で動けなくなったルドルフを救ったのが、会ったばかりのイッパイアッテナだったんです。危機一髪のところを、親猫のようにルドルフの首をくわえて助けました。そして、「死にてえのか」というイッパイアッテナのいたわり(?)の言葉につながるわけです。
でも、原作はもう少しまとも(?)に書かれていると思います!
[ad#rudo] 映画ノベライズ版では、ルドルフがあまりに天然に書かれているように感じます。いくら児童文学が基になっているからといって、ちょっとあんまりですね。小さな子どもには受けるかもしれませんが、ルドルフのキャラとしてはあんまりです。
では、原作の「ルドルフとイッパイアッテナ」ではどう描かれているのでしょうか。ちなみに映画の原作は「ルドルフとイッパイアッテナ」と「ルドルフ ともだち ひとりだち」の2部作です。
見れば、トラねこもわらっている。 「ハハハ、ほんとうにへんなやつだ。おまえ、名まえはなんていうんだ。」 「ぼくはルドルフだ。あんたは?」 「おれか。おれの名まえは、いっぱいあってな。」 「えっ、『イッパイアッテナ』っていう名まえなのかい。」 「そうじゃない。『イッパイアッテナ』なんていう名まえがあるもんか。でも、おまえがそうよびたけりゃ、それでもいい。とにかく、シシャモは返してやる。持っていきな。」 「イッパイアッテナのおじさん、あんたもわからないねこだね。ぼくは一度あげたものは、返してもらわないっていっただろ。あんたがいらないっていったって、ぼくは置いていくよ。」 ぼくがいうと、トラねこのイッパイアッテナは、しばらく考えてから、こういった。
どうでしょうか。やはり、原作の方が自然に流れると思います。この部分は少々子どもだましのような感じがして残念なところです。
イッパイアッテナは、色々な場面で名前を使い分けています。
イッパイアッテナは、イッパイアッテナがメインの名まえですが、実は彼の生活のいろいろな場面で名前を使い分けています。というより、人間から様々な呼ばれ方をされていると言う方がわかりやすいですね。あだ名がたくさんあるってことです。ノラ猫の宿命ですね。
イッパイアッテナの幅広いキャラがうかがえます。イッパイアッテナは映画の中で顔役なんです。 [ad#rudo]