ルドルフとブッチーがデビルに助けられた!?イッパイアッテナじゃなくてデビルに?
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映画はテンポよく進める必要があるために原作ほど詳細には描かれていない部分もあります。この挿話も映画では描かれていないうちのひとつです。イッパイアッテナがデビルのだまし討ちに遭います。その後、イッパイアッテナとデビルは仲直りをするのですが、これは仲直りをする前のデビルの武勇伝?です。
ルドルフとブッチーが、まだ見たことのないヘビを探しに江戸川の土手に出かけた帰り道のことです。
ルドルフとブッチーをとんでもない危険が待ち構えていた!
ルドルフとブッチーのヘビ探しは偶然に成功します。でも、ヘビを見た恐怖から2人とも下を向いて、足元ばかりに気を取られていたときです。
原作の『ルドルフともだちひとりだち』によりますと・・
左のほうの土手の下で、白地に黒のはんてんがある中型のいぬが3びき、こちらを見ている。そばに人がひとりいるけど、人と犬のきょりから見て、どうやらつながれていないようだ。 「ブッチー。ポインターだ。」 そうぼくがいうまで、ブッチーも気づかなかったようだ。「ポインターって?」 「あっちを見てみろよ。図鑑で知っている。あれはポインターっていう猟犬だ。まずいぞ。あの種類は、ぼくたちくらいの大きさの動物を見ると、すぐに追いかけるくせがあるんだ。」
このあと、ポインターの飼い主はとんでもない行動に出ます。なんと・・
ポインターのそばにいた男が、さっと右手をあげ、ぼくたちのほうにむかって、ふりおろした。 まずい! ぼくたちにいぬをけしかけたのだ。なんてことをするんだ。
ノラ猫の命を何とも思っていない不届き者め :evil:
走りながらふりむくと、3びきのポインターは、50メートルのきょりにせまっている。 「あーっ。こりゃあだめだ。ルド。あそこ、あそこ。あそこにいるやつ。」 見れば、ぼくたちがあがってきたのとは反対がわから、くさりにつながれたブルドッグが、また1ぴき、坂をあがってくるところだ。デビルだ!
進むも地獄、退くも地獄って、このことか!ルドルフとブッチーの運命は?
イッパイアッテナのかたきうちをしてから、あいつにはあってなかったけど、なにしろ池におぼれそうにしてやったのだから、ぼくたちをうらんでいるにきまっている。女の人がくさりを持っているけど、あんなのをふりきるのは、わけないだろう。
ルドルフとブッチーが左右に分かれて、ブッチーは土手を走りおりて川の方へ、ルドルフは反対側に走って、うまいぐあいにとまっていた車の下にもぐりこんだときでした。
強いぞデビル!デビルが英雄になった!?
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車の下にもぐりこんだルドルフはあることに気づきました。土手の上からはブッチーにもこの車が見えたはずです。でも、ブッチーは車の方に来ないで、反対側に行ってしまったのです。ブッチーの行った方には川があるだけです。
ルドルフは考えます。ひょっとしたら、ブッチーはぼくを逃がすために、ポインターを引き付けようとして、わざと危ない方へ行ったんじゃないか?そう思ったとき・・
「ギャーン。」 土手の上のほうで、さけび声がした。 ブッチーがやられた! ぼくは車の下から走り出た。ブッチーをほっておくわけにはいかない。
完全にルドルフの勘違いでした。ルドルフが見た光景とは、くさりをひきずったデビルが、ポインターに猛然と襲いかかっていたのです。3匹のポインターのうちの1匹はデビルに首根っこを噛まれて、足をバタバタさせています。他の2匹もデビルの勢いに圧倒されて、吠えながら周りを回るだけです。
デビルを連れていた女の人が「よしなさい、デビル」と声をかけた一瞬に、デビルのあごの力が弱まりポインターは逃げ出します。キャイーン、キャイーンと尻尾をまるめて逃げるポインターをデビルは懸命に追いかけます。でも、ブルドッグの足ではポインターにはるかに及びません。
3匹のポインターは飼い主の背中に回ると、走ってくるデビルに向かってワンワン吠えはじめます。デビルが追い付き、彼は3匹のポインターとその飼い主を睨み付けます。その距離わずか10メートル・・
デビルがもう1歩進む。相手は、団体でもう1歩あとずさる。 「グワオーン。」デビルがほえた。ものすごく大きな声だ。 「わっ!」 とたんに太った中年の男は声をあげ、うしろをむいて、走りだした。
飼い主の太った男と3匹のポインターは、我先に土手の上を逃げて行きました。デビルは「ガオ、ガオーン」と勝ちどきをあげて、女の人が自分を捕まえに来るのを待っていました。
強いぞ、デビル!ブルドッグといえども3匹のポインター相手にとても勇敢でした。
ちょっと、不思議というか不自然だと思ったことがあります。デビルを連れていた女の人っておそらく飼い主ですが、なんで飼い主さんも「デビル」って呼ぶのでしょう?「デビル」という名は、ルドルフやイッパイアッテナが住んでいる界隈でのワンちゃんやネコちゃんが付けた通称名の方が自然だと思うのですが。ここは別の名まえにしてほしかったところです。イッパイアッテナも飼い猫のときは「タイガー」だったのですから。
その後、デビルの取った行動は?
ルドルフとブッチーが「おれたち、デビルに助けられたってことになるのかな」と語り合っているときに、デビルが女の人につながれて戻ってきました。
だが、ぼくたちにはチラリと視線をむけただけで、そのまま、さっききたほうに帰っていってしまった。
ここのデビルは粋ですねぇ。多少のテレもあったのかもしれません。デビルよ、あっぱれ!!
番外:井上真央さんの語りで楽しみましょう。アフレコの感想です。
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