イッパイアッテナの名まえは、それこそイッパイアッテナ!!
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イッパイアッテナをイッパイアッテナと命名したのはルドルフです。ルドルフの勘違いからの命名なんですが、イッパイアッテナの名まえは本当にいっぱいあるんです☺
ちなみにイッパイアッテナは飼い猫だったのですが、飼い主からは『タイガー』と呼ばれていました。自分のシマウチ(イッパイアッテナはとても強いので一応の縄張りがあるみたいです)では『ステトラ』という通称名で呼ばれています。
この『ステトラ』の由来はわかりにくいですね。原作にも説明は何もありませんし、映画ノベライズ版にもありません。ひょっとしたら『ステゴロ(素手で行うケンカのこと)』から来ているのかなと考えたのですが、ここは単純に「捨てられたトラねこ」かもしれません。
小学校の給食のおばさんに何と呼ばれているのか?
イッパイアッテナがルドルフを連れて小学校にやってきました。今日は勉強ではありません。
窓から中をのぞいて、イッパイアッテナがいきなり、 「ニャア。」と鳴いた。 しかも、ただ鳴いたのではない。ものすごくかわいい声で鳴いたのだ。 そんな声がでるのかなあ・・・。 ルドルフがそう思っていると、声がきこえた。 「あ、ボスがきたよ。」 すると、こんどはべつの声。 「やっぱり!シチューの日は、いつもきますね。」 さっきの声がまたいった。 「どうして、わかんのかねえ。」 たしかに、シチューのにおいだ。
小学校ではイッパイアッテナは『ボス』なんです。強そうに見えるからでしょうね。
シチューの日には必ずイッパイアッテナが来るので、給食のおばさんは驚いています。イッパイアッテナは文字が読めるので、小学校の教室に張ってある献立表を覚えればいいだけなんです。びっくりすることはありません。でも、ネコが字を読めるなんて知ったら、びっくりどころか腰が抜けそうです。
「あら、きょうは黒ネコちゃんもいっしょだ。」 ひとりがそういうと、もうひとりが 「うわぁ、縁起悪い!」って・・・。 黒ネコちゃんもいっしょだといったほうの女の人が、 「ちょっと待ってな。」といい、ふたりが中に入ると、イッパイアッテナが、クククとわらって、いった。 「黒ネコが縁起悪いなんてなあ、迷信だ。そんなことを今どき信じてるのは、教養がねえ証拠さ。」
肉の大好きなルドルフも、シチューを夢中になって食べました。
街のいたるところでイッパイアッテナの名まえが変わる!変幻自在だ、イッパイアッテナ!!
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ルドルフとイッパイアッテナが魚屋の前を通ると、「おう。デカじゃないか。今、アジ、持ってきてやる。」って・・・。
ここの魚屋さんでは、イッパイアッテナは『デカ』なんですね。
ルドルフは思います。世の中には、ししゃも1匹を取り戻そうとして、モップを振り上げ向きになって追いかけてくる魚屋もいれば、上等なアジをご馳走してくれる魚もいるんだって。ルドルフはししゃも1匹が原因で、岐阜から東京にやってくることになったんですから。
魚屋さんのあとは、路地に入って、どこかのうちの玄関の前で、イッパイアッテナはすわった。 「ニャ、ニャア。」 イッパイアッテナがのどを鳴らしている。 ドアが開いて、おばあさんが顔を出した。 「おや、トラじゃないか。ちょっとお待ち。」
おばあさんにもご馳走になります。そのあと、2匹はブロック塀の上にあがって歩き出します。2階のベランダで、ふとんをパンパンたたいている女の人がいて、ルドルフたちに気づくと声をかけてきます。
「あら、シマスケ、ひさしぶりね。」 イッパイアッテナがベランダを見あげて、かわいくへんじをする。 「ニャー。」
ここではシマスケ・・・。見た目のままに、イッパイアッテナはいっぱい名まえを持っています。
感想:名まえがイッパイあるから、イッパイアッテナは逞しく生きてきたのかも!
元は飼い猫でしたが、ノラ猫になってしまったイッパイアッテナ。
彼が逞しく生きてこれたのは、その強さもあったのでしょうが、やはり食べなければ生きていけません。様々な人間に可愛がられることで食料の調達ができていたんですね。イッパイアッテナの処世術は、人に媚びへつらうことではありません。人も可愛らしい動物を見たら癒されます。共存共栄というところです。 [ad#rudo]