北アルプスで遭難が相次いでいるけど5月中は冬山だから準備万端で!
- 北アルプスの遭難で気になったこと!
- 連休中の北アルプス登山のときに単独行の人が私らのテントに助けを求めてきました!
- 連休に北アルプスに登るならビバークの準備も万全に!
- 中高年登山は定着したけど、そこに潜む危険性
- さいごに
2019年4月27日から28日にかけて北アルプスで登山者の遭難が相次いで4人の方がなくなりました。報道によると、27日の悪天候が遭難の主要因だということです。
私は学生時代に山岳部におり、5月中旬に剱岳付近で吹雪に見舞われました。その際は、テントの中の登山靴がバリバリに凍りました。
北アルプスのような高山では、たとえ5月中でもひとたび荒れると冬山になってしまいます。完全な冬山装備とビバーク(不時露営)の準備が絶対的に必須となるんです。
北アルプスの遭難で気になったこと!
報道だけを見ていると、亡くなられた4人の方はどうやら単独行(一人で山に登ること)だったようです。
連休中の単独行、しかも北アルプスでの単独行というのはエキスパートだけに許されることです。非難しているわけではありません。
ただ、せめて数回は厳冬期での体験があり、ピッケルやアイゼンのワークにも習熟していないと、連休中といえども単独行はかなり無謀な登山になってしまいます。
ベテラン登山者を含めたパーティー(複数で山に登ること)での登山が一応安全です。
しかし、パーティーの中にまったくの雪山初心者がいると不安もつきまといます。最初は誰でも初心者なんですが。
やはり基礎体力があるかないかで、雪山登山の安全度は格段に違ってきます。普段からの走り込みや、スクワットなどの筋トレにどれほど励んでいるかで、危険回避の場面で差がつくためです。
遭難した方々はみなさんエキスパートだったと思いたいです。エキスパートであっても、偶然の体調不良によって予期せぬ事態に陥ることは往々にしてあります。
ですから、連休中の登山なら特に単独行は避けて、パーティーを組むことが望ましいわけなんです。
連休中の北アルプス登山のときに単独行の人が私らのテントに助けを求めてきました!
学生時代に八方尾根に登り、唐松岳の雪壁に挑戦したことがあります。5月連休中のことです。テントに戻ると、けっこう吹雪いてきました。
夕方だったと思います。男性の単独行の方が、私らのテントに助けを求めてきました。
『吹雪いて風が強くテントを張れないので、泊めてもらえませんか?』と…
ビックリしました。『いくら吹雪の中だからといっても、一人で対処できないのなら単独行なんてするんじゃねえよ!』と心の中で思ったものです。
ま、そのときは半ば命にも関わることなので上級生の判断で、私らのテントで寝てもらいました。
後日にお礼のビール券が送られてきましたが。
やはり、一人で連休中の北アルプスに登る以上、万全の準備が必要だということです。天候が荒れることなんて天気図やラジオで十分に把握できますし、それなら早めに到着してテントを張れば済むことです。
常に危険を先に読む、という注意力がないのであれば、北アルプスに登る資格はないなぁと思った一件でした。
連休に北アルプスに登るならビバークの準備も万全に!
ビバークというのは不時露営と訳されます。
登山の用語としては,悪天候や病人,コースの困難さなどから予定計画にない露営を行う不時露営(フォースド・ビバーク)をさして呼ぶことが多いのです。
したがってテントや山小屋利用ではなく,ツェルトザックやシュラフザックをかぶるとか,たき火で暖をとるだけなどのような簡単な形の露営を言います。
もしもですが、「ツェルト」って何?なんて思う人は、そもそも北アルプス級の山に登る資格は100%ありませんので、気を付けてください。
ツェルトは夏山くらいであれば、簡易テントとしても利用できますが、おすすめはしません。やはりビバークのときに使用するものですから、基本的にかぶって不測の事態に対処するものなんです。
北アルプスでしたら夏山といえども、予定外の不測の事態で山道で一晩過ごすことになった場合「低体温症」の危険が大いにあります。そんなときにツェルトをかぶって耐え忍ぶというのが基本になります。
連休の北アルプスでしたら、ザックの中には必ずツェルトが必須になりますよ。
中高年登山は定着したけど、そこに潜む危険性
中高年登山は一時のブームを経て、今では定着した感があります。
しかし、個人的に思うのですが、仲良しグループだけで山行を重ねているし、登山用品店でいろいろとアドバイスも受けているから…といっぱしのベテラン気分はとても危ないと思っています。
たとえ夏山しか登らないとしても、系統だった山の技術は必要だと思います。技術習得のためのいちばん確実な方法は、地域の山岳会に入ることです。
確かな山岳会としては「日本勤労者山岳連盟」が有名です。座学で技術を学び、実際の山行で実践することができます。
仲良しサークルの、ハイキング同好会も楽しいと思うのですが、安全に登山を楽しむのなら基本技術から習得するのがベストです。
たしかに加藤文太郎のように独学で単独行を極めた登山家もいますが、とんでもない基礎体力に裏打ちされたレアケースです。
普通の人は、楽しく安全に登山をするために、やはりベテラン指導者に教えを乞うのがもっとも適切です。
さいごに
連休中の北アルプスを狙うのなら、下記の3つは最低限必須です。
1 毎日の基礎体力作り
2 冬山と同等の防寒スタイル
3 ビバークの準備
登山は低山や夏山でも、時として命にかかわる危険なことに遭遇します。準備万端で安全で楽しい登山を楽しみたいものですね。